ベニア合板をカットしたらいよいよ、ハルを組み立てていきます。
ちなみに、ハルとはカヤックの喫水している部分の船体板を指します。
ちなみに、ハルとはカヤックの喫水している部分の船体板を指します。
ここからが、他のベニア板カヤックの製作過程とは大いに異なり、特殊かつ難易度の高い作業になりますので要注意です。
恥ずかしながら、失敗も含めなるべく多くの写真を使って解説していきますのでSevernの製作を検討されてる方はご参照ください。
シアー材の取り付け
船体板を組み立てる前にひとつやっておくことがあります。船体板のデッキとの接合部のラインにシアー材と呼ばれるものを取り付けます。
シアー材とは、カヤック自体の強度を確保する為とデッキ板を船体部分に取り付けるための、のりしろの役割を果たします。
シアー材の長さは船体板同様、ほぼカヤック全長の長さになるのでかなり長いものが必要となります。ベニア板同様スカーフ接続して長さをかせぎます。ただ、前回と違い薄い材料では無いので、通常のノコギリを使用でき比較的容易な作業です。
シアー材の長さは船体板同様、ほぼカヤック全長の長さになるのでかなり長いものが必要となります。ベニア板同様スカーフ接続して長さをかせぎます。ただ、前回と違い薄い材料では無いので、通常のノコギリを使用でき比較的容易な作業です。
必要な本数の木材を並べ、重なる部分が 厚みx8になる様に斜めにカットし、カンナで微調整するだけです。
↓斜めにカット
シアー材が出来上がったら、これを船体板のデッキと接合する部分に接着していくのですが、ここで少し問題が……
「新版カヤック工房」の図面を見ると、Severnの船体板のデッキと接合する部分の線が、何故か直線ラインの組合せになってるのですよ(文章では伝わりにくいと思いますので書籍をご参照下さい)。もちろんシアー材を三分割してそのラインに合わせて貼り付ける事は出来ますが、分割してしまうと強度的に問題ありだと思われます。
思案した結果、一本のシアー材を直線の部分に沿わせつつ、直線同士が交わる部分はバテンの様に曲げて貼り付けました。
↓はみ出た部分
曲げて貼り付けた為、船体板のわずかにはみ出た部分は切り取りました。のちにデッキ板を貼り付けた際も特に問題がなかったのでこの様な施工で良いと思われます。
船体板つなぎ合わせ
まずは、下写真の様な船体板の両端を支えるための台を使います。
前後しますが、この台に12ミリほどの厚め合板を敷けば、製図や合板のカットにも使えるので製図の前に作ったほうが良いと思います。カヤックの全長から少なくとも合板1800ミリx3 枚 ですから、6機の台が必要になります。
(私の場合は大きめのバーベキューテーブルがあったのでテーブルからはみ出る2台のみ作りました。)
この台を船体板の両端の位置に置き、その上に先程カットした船体板を載せます。ベニア板は自重で若干中央部が下がります。二枚の船体板が接する中央部の数フィートを銅線で軽く縫い合わせます。
※以後の記述も含め、どの位の長さを縫い合わせるかは大事な部分ですが、あえて詳細は記載しません。書籍「新版 カヤック工房」をご参照下さい。
中央部に置いた浅いV字型のジグを使って更に下方向に引き下げます。ここで注目なのが、船体板を引き下げることによって、当初は中央部のみ接していたキールラインが両端に向かって接する様になっているのがわかると思います。
引き下げる際には下写真のように、おもり用のブロックに棒を通し、紐を使って徐々に下げていきました。
中央部は、両端部より相当下になるまで引き下げるのですが、シアー材やベニア合板が割れるのでは?と恐る恐るの作業でしたが大丈夫です!この時点では割れません(意味深)。
ここで二枚の船体板の接する部分をさら両端に向かって緩めに縫い進めていきます。
もしもつなぎ目が綺麗にならない場合は、今一度導線をカットして再びカンナでもって微調整します。
わたしは、2度ほどやり直ししましたがこの辺りの加減がなかなか難しいのですよ。もちろん一発でピタッと決まったらそれに越した事はないのですが、そうは問屋がおろさず。かと言って神経質になりすぎてもいつまでも修正を繰り返す事となります。ある程度は後の作業でリカバリーできる部分もあるので、程ほどのところで納得するしか無いのかと思います。
それともう一つ、銅線の締め上げ加減について。中央部分はある程度強めに締めれば、船底中央部はほぼフラットな船底になります(私は、ほぼフラットな船底になるよう締めました)。ただし、この後の作業で船体板を捻り上げて上げていくのですが、船底がフラットな分、曲げた時のベニア板にかかる負荷が相当大きくかかります。ここは、あまり強く締めすぎないようにした方が良いかもしれません。
ステッチ部分の補強。
ステッチした銅線がキールラインに沿って中央部分が少し膨らんでると思いますので船体板に密着するように押しつぶいていきます。
そこにエポキシ樹脂におが屑を混ぜたパテ (通称: ピーナツバター) をステッチした導線が隠れるように塗っていきます。ベニア板の合わせ目から裏面に少しはみ出るくらいに押し込んでやると、合わせ目の木口の部分が自然に覆われるので後の作業が楽になります。ただし表面の厚みはあくまで導線が隠れる程度です。また塗る部分の両側にガムテープで養生しておくと見た目も綺麗に出来ます。
十分に乾燥したら、幅10センチ程度のファイバーグラステープで覆い上からエポキシ樹脂を塗っていきます。
(ここはフィートでなく、センチかよ⁈ とのツッコミが有りそうですがフィート幅のファイバーグラステープは探せませんでした。(^^;
ファイバーテープが固まったところで、船体をひっくり返しステッチした銅線をカットしていきます。この時わずかに残った銅線はヤスリがけをして表面に対しツライチになるようにします。合わせて滲み出てきたエポキシはカンナで削り取ります。
カット前↓
カット後↓
実は、カット前の写真をよく見ると中央部分が凹んでいます。「失敗した⁉︎」と思いましたが、カットすると「ボンッ」と音がして無事戻りました。前述した通り中央部のステッチを締め過ぎたようです。
次に、キールラインに沿って内側同様ファイバーグラステープを貼っていきます。
なんとか苦労しながらも、ここまでやってこれました。
次回、ハルの組み立て〜その2〜に続く。
次回、ハルの組み立て〜その2〜に続く。
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